Sorry We Missed You.
"私はダニエル・ブレイク"に続く、英国の名匠ケン・ローチ監督の作品。
原題を目にして、なんて悲しいんだろうと思ったのです。
Sorry We Missed You.
Weは誰なんだろう。
Youは誰なんだろう。
We も You もきっと自分、じぶんたちなんだろうと思うのです。
ちょっとしたことで、どっちにもなりうるじぶんたち。
見失ってしまったのは、いちばん身近な自分自身で、いちばん大事な家族。
見失ってしまったのは、困窮し追いやられてしまった隣人。明日の自分かもしれない隣人。
今日一日を生きるために、歯を食いしばりながらやり過ごしている不平等、不条理。
そうした生活の中で少しづつ疲弊し見失っていくもの。
"自己責任"や"市場原理"のお題目のもと、効率の悪いもの、不必要になったものをどんどん切り捨てていく"新自由主義"という名の怪物が、自分の脚を喰う蛸に思えて仕方がないのです。
英国の映画ですが、日本でも同じことが起きている。
前作"私はダニエル・ブレイク"と共に見ていただきたい一作です。