目が合う瞬間
本当に冬なのだろうか、
そう思ってしまうくらい温かい日が続く横浜です。
お正月の特番もいいかげん飽きてきて、録り貯めた映画を観るのにも少々疲れてきたので、
冬?晴れの青い空に誘われて、昼食がてら散歩に出てきました。
無性に洋食が食べたくて山下公園近くのお店に行ったのですが、
お休みでした。
そうですよねー。
あのコンビニだって元旦くらい休もうよって時代ですもんねー。
自分の間抜けっぷりに少々呆れてしまいます。
完全に気が抜けとりますな。
完全にお腹は洋食モードだったのですが、空腹には勝てず近くの蕎麦屋でざるそばを頂きました。
そばを頂いた後は、山下公園を抜けてそのまま港の見える丘公園に。
まだお正月ということもあり、人影の疎らななかをフラフラと進んで行きます。
途中、ローズガーデンのベンチで休憩し、洋食を食べられなかったショックから精神的再建を果たしたのちに、
とりあえず元町で買い物して帰ろ、
と山手から坂を下ります。
折角だからジェラール水屋敷跡に寄って鯉でも眺めていくべ、と寄り道。
水のある景色が好きです。
鯉は気楽でええのぅ、
仕事行きたくないのぅ、
と愚にもつかないことを考えながら、ボーッとしていると、
なにか視線を感じる。
おかしい、さっきから水の音しかしないし、近くに誰もいないはず。
流石に鯉に見つめられていると思うほど自意識過剰じゃないですよ。
と思いながら、そっと後ろを見ると、
目があった。
身動ぎひとつしない鷺。
いつからいたんだ。
いくらボーッとしていたとはいえ、流石に飛んできたら気づくぞ。
けっこうでかい。
いまひとつ何処を見てるかわからない目ですが、ぜったいこっち見てるわ、
と思いながら、そっと写真を撮影。
その間、鷺はいっさい動きません。
しばらくその場でお見合い状態で様子を窺っていましたが、
本当に少しも動かない。
おそらくあまりの鷺先生の直立不動ぶりに私が気づかず近寄ってしまい、そのままボーッとしてたようです。
なんだか簡単に捕まえられるんじゃなかろうかとも思いましたが、
この気配の殺し方は普通じゃない。
きっと名のある鷺に違いない、と思い直します。
しかし、このままずっと見つめあっている訳にもいきません。
私には元町で買い物をするという重要な任務があるのです。
しかしあまりの泰然自若っぷりに、何故か会釈をしながら鷺先生の横を通って失礼したのでした。
少し離れたから振り返って見ても、鷺先生は微動だにしていませんでした。
強い。
あ、元町で買い物するの忘れた。